東京ブラスコンコード第18回演奏会
日時 2002年2月17日(日)14:00開演
場所 石橋メモリアルホール(東京・上野)
指揮 井上 謹次
賛助出演 ジム・エディガー(フィドル)
プログラム

マーチ「デス・オア・グローリー」(R. B. Hall)
ジュビリー序曲(P. Sparke)
ブリッグ・フェア(Traditional / arr. G. Langford)
G線上のアリア(J. S. Bach / arr. H. Snell)
ドラゴンの年(P. Sparke)
組曲「ケルトの叫び」(R. Hardiman / arr. P. Graham)〜フィドルとの共演
小さなセレナーデ(E. Tomlinson)
喜歌劇「詩人と農夫」序曲(F. v. Suppe / arr. A. Winter)

入場料 1,200円(小・中学生1,000円)

曲目の解説


●ジュビリー序曲

スパークの名を一躍有名にしたこの曲は、1983年にGUSバンドの指揮者=ケネス・ウィルキンソンの依頼により、同バンドの「ゴールデン・ジュビリー」 の為に作曲されました。華やかなファンファーレに始まる序奏〜A−B−C−A−Bの形式を持つ活気ある主部〜再びファンファーレによる終結部+A主題を再 現したコーダ、という形式はスパークの得意とするものです。
 ちなみに、主部に移る繋ぎ部分の3つの音程=ソ・ド・ミ♭を「G」「Ut(ドイツ語階名のド)→U」「Es→S」と読み替えると、「GUS」のバンド名 が浮かび上がってきます。


●G線上のアリア

正式なタイトルは「管弦楽組曲第3番・第2曲『アリア』」ですが、かつて名バイオリニストのアウグスト・ウィルヘルミが、バイオリンのG線(一番太い弦) だけで弾けるよう編曲し演奏したことから、この題名で呼ばれるようになりました。色々な編成の編曲が出ていますが、本演奏会ではコルネットを11パートに 分けたハワード・スネルの編曲でお聴き頂きました。


●ドラゴンの年

現在、金管バンドと吹奏楽の両方で最も人気のある作曲家=フィリップ・スパークの代表作であるこの曲は、1984年にウェールズの代表的バンド「コーリー バンド」の結成100周年記念委嘱作品として作曲され、同バンドにより初演されました。その後1986年にヨーロピアン・チャンピオンシップの課題曲とし て取り上げられ、世界中の金管バンドで演奏されるようになりました。更に吹奏楽用に編曲され、1990年にコールドストリームガーズ(英国近衛兵軍楽隊の 一つ) が来日した際、この曲をメインとして取り上げてからは、吹奏楽曲の重要なレパートリーのひとつになっています。
タイトルの「ドラゴン」とは、ウエールズの国旗に描かれた赤いドラゴンを意味します。


●組曲「ケルトの叫び」

「リバーダンス」の初期公演で主演ダンサーを演じたマイケル・フラットレーは、1996年にリバーダンスと決別して自ら創作・振付・演出を行ったアイリッ シュ・ダンスショー「ロード・オブ・ザ・ダンス」を初演し、大成功を収めました。「リバー〜」に比べてケルトの民族色を強く打ち出し、一貫したストーリー を持たせたこのショーは、その後世界中で公演され、各地で絶賛を呼びました。日本でも2000年と2001年10月に来日公演が行われ、話題になりまし た。
この組曲は、編曲者のグラハムが「ロード〜」の本来の曲順やストーリーに捕らわれず、自由に選択・組み合わせて金管バンド用の組曲に仕上げたものです。第 1曲「悪夢〜盗まれたキス」第2曲「スール・ア・ルイン(進め恋人よ)」第3曲「ブレイクアウト」第4曲「嘆き」第5曲「勝利〜ロード・オブ・ザ・ダン ス」の5曲は、金管バンドのみで演奏できるよう編曲されていますが、今回はゲストとしてフィドル(アイリッシュダンスで使用されるバイオリン)奏者のジ ム・エディガー氏をお迎えして、より原曲の雰囲気を再現いたしました。
尚、メインテーマの「ロード・オブ・ザ・ダンス(ダンスの王)」は、アイルランド民謡として昔から有名な舞曲です。


●小さなセレナーデ

イギリス音楽には「ライト・ミュージック」といわれる分野があります。いわゆる軽音楽とは異なり、親しみやすいメロディとわかりやすい内容を持った軽クラ シック、とでも言いましょうか。代表的作曲家にはケテルビーが上げられます。この曲の作曲者=トムリンソンもライト・ミュージックの作曲家で、数々の作品 を作曲する一方、「アーネスト・トムリンソン・ライト・オーケストラ」を主催し、その指揮者としても活躍しました。
この曲は彼の代表的作品ですが、本来は1955年に「シンデレラ物語」というラジオ向けミュージカル劇の為に作曲された歌曲でした。好評だったため作曲者 自身によりオーケストラ用に編曲され、彼とそのオーケストラのテーマミュージックとして随所で演奏されました。この曲の30種にものぼる編曲は全てトムリ ンソン自身によるもので、本日演奏する金管バンド用編曲も同様です。彼は金管バンドにもかなりの興味を持っていて、いくつかオリジナル作品を作曲していま す。


●喜歌劇「詩人と農夫」序曲

19世紀中頃にウィーンで活動したスッペ(1819-1895)は、30にのぼるオペレッタと200の劇音楽を作曲して、一時その人気はヨハン・シュトラ ウスと競うほどでしたが、死後その作品は急速に忘れられ、現在では「軽騎兵」などいくつかの序曲が残るのみとなりました。この「詩人と農夫」も、本来はオ ペレッタの序曲だったのですが、肝心のオペレッタは早くに失われ、その内容すらわかっていません。しかし序曲のみは、スッペの代表的作品として現在でも盛 んに演奏されています。
曲はオペレッタの聴きどころをつなぎ合わせた接続曲形式です。静かなファンファーレに始まり、詩人の瞑想を思わせるフリューゲルホルン(原曲はチェロ)の ソロが続きます。低音の激しいトリルからアレグロとなり、途中優雅なウィンナ・ワルツを交えながら華麗に展開します。



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