曲目の解説（司会原稿より）

●道化師の踊り（歌劇『売られた花嫁』より）

スメタナのオペラ第二作として知られるこの曲は、チェコの農村生活をコメディ風に描いた作品で、 チェコ民俗オペラの最初、かつその代表作として知られています。

●ブレイドン・レース

『ブレイドン・レース』は、イギリスのラングフォードにより編曲されたユーフォニアムソロと ブラスバンドのための作品です。
ブレイドンとはイギリスの北東に位置する町の名前で、そこで行われていたホース・レース （馬のレース）を題材にした曲です。
本日のユーフォニアム奏者は、羽生勝徳・小川妙子の２人です。

●グリーンスリーヴス

『グリーンスリーヴス』は、イングランド民謡の中でも最も有名な作品の１つです。
16世紀頃には既に民謡集に収められていたようですが、イギリスの作曲家ヴォーン＝ウィリアムスが 歌劇『恋するサー・ジョン』の中で使用し、更に『グリーンスリーヴスの主題による変奏曲』を発表し 世界中に広まりました。
皆さまもよく耳にするこのメロディをお聴きいただけると幸いです。

●仮面舞踏会（マスカレード）

第１部最後の曲は、ウィルビー作曲『マスカレード』です。
1993年のブリティッシュ・オープン・チャンピョンシップの課題曲を依頼されたウィルビーは、 オペラ王ヴェルディの最後の作品『ファルスタッフ』の仮装舞踏会の場を金管バンドによる音楽劇 として作曲しました。
ヴェルディのオペラとシェイクスピアの原作のそれぞれからストーリーを作あげ、彼自身の目指す 「オペラ的ブラスバンド作品」を作り上げており、今なお、数々のブラスバンドコンテストで課題曲に 取り上げられています。

●ディズニー・ファンタジー

第２部最初にお聴きいただく曲は、リチャーズ編曲『ディズニー・ファンタジー』です。
数あるディズニー映画の中から、たくさんの映画音楽をメドレーにてお贈りいたします。
皆さまも耳にされたことのある曲が数多く入っているのではないでしょうか。

●古い山小屋

ブラスバンドとの共演で、スイス民謡をモチーフにした『古い山小屋』をお贈り致します。
この曲のモチーフとなったスイス民謡は「高い山」という原題を持っています。
ブラームスの交響曲第一番のフィナーレへの導入部分にも用いられているため、 ご存知の方も多いと思います。

●アディエマス

次にお聴きいただく曲のタイトルである『アディエマス』は、現代のイギリスを代表する 作曲家カール・ジェンキンスが創作した一連の音楽の名称です。原曲では、女性コーラスと オーケストラで演奏されます。
オーケストラに民俗的なサウンドを組み合わせるという特徴を持っており、日本でもＮＨＫの ドキュメンタリー番組『世紀を越えて』のオープニングテーマに使われておりましたので、 耳にされた方も多いと思います。

●喜歌劇『美しきガラテア』序曲

いよいよプログラム最後の曲になってしまいました。
スッペ作曲の喜歌劇『美しきガラテア』序曲です。
1865年にベルリンで初演されたオペレッタで、スッペの９作目となる初期の名作です。
この序曲は、劇中の音楽をつなぎ合わせたものでギャロップ風の華やかな音楽に始まり、 アンダンテののどかな旋律、ウィンナ・ワルツなどが次々と現れ、最後はテンポを速めて 一段と音楽は華麗になって閉じられます。