●スリップストリーム
イギリスの作曲家スパークによる軽快なマーチ。「スリップストリーム」 とは、1.プロペラの後流 2.先行車の後方に生じる
空気の渦に入ることで、自車の空気抵抗を減らす レーシングテクニック のことです。
●過ぎにし春
組曲「ペール・ギュント」で知られるノルウェーの作曲家グリーグの、 愛すべき小品。 元はノルウェーの詩人ヴィンイェの詩に作曲した歌曲ですが、
作曲者みずから編曲し、もうひとつの「胸のいたで」という曲とともに 「二つの悲しき旋律」という作品にまとめられています。
日本語のタイトルは「過ぎにし春」とか「晩春」とかつけられて いますが、詩の内容は春の訪れの喜びを静かに歌い上げたもので、
その意味からは誤訳といえます。
●トロンボナンザ
フランク・コフィールドにより、トロンボーントリオと吹奏楽のために作曲された曲です。
●イギリスの海の歌による幻想曲
イギリスの海にまつわる唄を集めたメドレーで、以下の曲が入っています。
A-Roving, Drummer and The Cook, Blow
The Man Down,
We're All Bound To Go, What Shall We Do With The Drunken
Sailor,
Sailor's Hornpipe
●レッツ・フェイス・ミュージック&ダンス
アーヴィング・バーリンは1888年生まれ。幼い時に父に死なれ、 街角やカフェで歌いながら生計を助けました。この経験をもとに
作曲・作詞を始め、1911年に「アレキサンダー・ラグタイム・バンド」 がヒット、有名になります。その後、1946年にミュージカル
「アニーよ銃をとれ」およびその主題歌「ショーほど素敵な商売はない」 が大ヒット、1954年に「ホワイトクリスマス」がビング・クロスビーの
唄で世界的ヒットとなり、アメリカの軽音楽・ショービジネス界を 代表する作曲家となりました。 「レッツ・フェイス・ミュージック&ダンス」は、1984年の
リレハンメルオリンピックで、アイスダンスのトービル&ディーン組 (英国)が取り上げ、銅メダルを獲得しました。
●アンサンブル
イージー・ウィナーズ
「ジ・エンターティナー」と並ぶ、ラグタイムの創始者として有名なアメリカの作曲家スコットジョプリンの代表作の一つです。
メヌエット(ボッケリーニ)
ボッケリーニ(1743-1805)は、イタリアのルッカで生まれ、14才よりチェロ奏者として活躍しました。1769年よりスペイン宮廷に仕え、室内楽曲を多数作曲しています。その中でも有名な「メヌエット」は、弦楽五重奏曲G.275の一部です。ちなみに、頭のG.はジェラール。モーツァルトのK.(ケッフェル)のように作品を整理した人名が番号となっています。
ドレミの歌
映画「サウンド・オブ・ミュージック」の中で、ジュリー・アンドリュースがミラベル宮殿広場で歌った、あまりにも有名な曲。35年を経た今、4本の"ホースラッパ"により演奏されようとしています。なんとも感慨深いものがありますね。(笑)
●エルサレム
イギリスのロマン派を代表する詩人の一人であるウィリアム・ブレイクが1808年に書いた詩に、1916年にイングランドの作曲家パリーが音楽をつけた聖歌です。同年の婦人参政権のためのコンサートで初めて演奏されました。ブレイクの詩は「我々がイギリスの緑で楽しい土地に聖都エルサレムを建設しよう」という内容のもので、「アリマテアのヨセフが、少年のイエスを聖書には記録されていない12歳から30歳の間にイングランドに連れてきた」という古い伝承に遡るものとされています。「エルサレム」は、1922年にはサー・エドワード・エルガーによってオーケストラ用に編曲されました。ちなみに、1970年代にはロックバンド「エマーソン・レイク&パーマー」によりカバーされています。
●ナイルの守り
イギリスのマーチ王アルフォードの代表作のひとつ。彼の作品の中でも比較的後期のもので、作曲されたのは1941年、第二次世界大戦中でイギリス軍が最も苦戦をしていた年でした。スーザが軍隊生活後いち早くスーザ吹奏楽団を組織して世界各国を演奏旅行したことに比べ、アルフォードは生涯のほとんどを軍楽隊で過ごしたため、曲も軍隊行進曲が多くなっています。この曲は、1885年にナイル川岸のカーツームで十ヶ月間の包囲攻撃に耐えた後全滅したチャールズ・ゴードン将軍とその部隊に捧げられています。